青い西瓜の日々

軸なきブログ

Stand down Margaret: The Beat ~ やめちまえ、サッチャー!

 

スカ(Ska)や古いレゲエが好きで、時々古い楽曲をひっぱりだしては聴いているんですが、このところは80年台イギリスで流行したパンキッシュなスカを重点的に聴いてます。いわゆる2トーンでThe Specials, The Selecter, Madness, The Beatが2トーンの四天王と言っていいと思います。 

で、The Beatが1980年に発表したStand down Margaretという曲があります。
stand downって、身を引くとか、休戦、撤退を意味します。
じゃあMargaretって誰さ、という事になるんですが、これは時の首相マーガレット・サッチャーに違いありません。つまり、サッチャーに辞任しろと歌っているわけです。

I said I see no joy, I see only sorrow 
I see no chance of your bright new tomorrow
So stand down Margaret, stand down please

喜びは無く、あるのはただ悲しみだけ。
あんたに明るい明日は無いよ。
やめちゃいなよ、マーガレット。
お願いだからさ。

こんな曲を聴いているところに、サッチャー氏死去の知らせが入ってきて、なんと奇遇なとびっくりしました。

サッチャー氏死去についてイギリスのミュージシャン、モリッシーもかなり辛辣なコメントを寄せていますね。
モリッシーが寄稿した他界したサッチャー元英首相についてのコメント全文訳


私は政治の事はよく知らないんですが、彼女の政策で社会的弱者は切り捨てられたとの事なので、ミュージシャンによるアンチ・サッチャーの姿勢はこの辺に起因するのでしょう。

下記はWikipediaからの抜粋。
「サッチャリズム」政策によって労働者階級や移民など「切り捨てられた市民」の間では「彼女の死を祝賀するパーティ」が見られた。さらにネット上には「(サッチャーによって)地獄が民営化されようとしています」「(サッチャーが)地獄に落ちてわずか20分で地獄のかまどが3つ廃炉になった」などと首相在任時期の小さな政府政策と絡めて批判するコラージュが登場した 

もちろん氏は民営化や金融改革など大鉈をふるい、経済的に死にかかっていた英国を蘇らせた第一人者でもあります。光強ければ影また濃し、というところでしょう。
まあ、賛否含めてこれだけ影響力あれば政治家冥利なんじゃないでしょうか。

で、Stand Down Magaretに戻りますが、この曲はWhine and Grindという曲とメドレーになっています。(バックトラックは同じなんで、正確にはメドレーではないけど)
Whine and Grindはスカのオリジネーターの一人Prince Busterの曲です。
どう見てもこの歌は歌詞がエロいんですが、なんでこの曲にサッチャー批判の歌をくっつけたのかよく分かりません。
これが英国流のユーモアなんでしょか...