赤と青の合間に
今日の夕方の話。
小さな交差点で信号待ち。
もうじき日が暮れる頃で人通りも少ない。
車の窓から外を見ると10から12歳くらいの男の子と女の子が花壇の縁に座って抱き合っている。
男の子の方はちょっと小柄。二人は幼い恋人同志なのか、それとも怪我か何かで泣いている弟とそれを慰めている姉なのか。なんとなく気になってつい眺めてしまった。
信号が赤から青に変わる直前にその答えは判った。
私の視線に気づいた二人が、バツが悪そうにさっと身を離したからだ。
車を発進させながら、二人の慌てぶりが可愛くて、私はつい吹き出してしまった。恋路の邪魔をして悪いとは思ったけど。
しかしながら、障害があれば愛は一層燃えるというから、お邪魔な私の存在は恋の炎にくべる一本の薪くらいの貢献はしたかもしれない。
してみると、あれが今日の私の一善なんである。
一日一善。