青い西瓜の日々

軸なきブログ

X-Offender / Blondie : Xの謎

英語の聞き取りが苦手なんですが、実はそれが洋楽和訳への動機となっています。

歌を聴いて苦も無く歌詞が理解できれば、訳なんてめんどくさいことはしないでしょうからね。好きな歌だと何が歌われているのか気になって、それで訳してみるわけですが、こんな歌詞だったのかと驚かされる場合もあります。

 


Blondie X Offender - YouTube

 

ブロンディは70年代末から80年代初頭に活躍したバンドで、私が洋楽を聞き始めた頃の一番のお気に入りでした。好きな曲はたくさんあるんですが、今回取り上げるのは"X-Offender"。1976年のブロンディのデビュー曲です。

 

タイトルのOffenderってのは犯罪者って意味です。

じゃあ、Xって?

 

構成が巧みに練られていて、変哲もないボーイ・ミーツ・ガール的(この場合ガール・ミーツ・ボーイか)歌詞で始まり、徐々に奇妙なツイストを見せていきます。

権利を読み上げるとか、手錠とか、一体どういうこと?という謎を振りまきながら、中盤にはその謎が明らかにされます。

 

まず、歌い手が熱を上げている相手は"Public Defender"であること。法律用語では公選弁護人ということになるようですが、ここでは警察官を意味しているようです。

そして歌い手はというと"Sex Offender"つまり性犯罪者です。おそらくは娼婦。

 

つまり、ある警官に逮捕された娼婦の、その警官に対する愛を歌った歌です。

OffenderがDefenderに恋をするという設定が面白い。

 

で、Xってなあに、という疑問に戻るわけですが、もともとは”Sex-Offender”というまんまなタイトルをレコード会社が"X-Offender"とぼかしたんだそうです。

まあ、タイトルが過激だとラジオ局だってかけづらいでしょうから、妥当な改題でしょうね。

 

というわけで、長年の謎が解けてちょっと嬉しい。ふふ。

 

 

X-Offender 歌詞、和訳、超訳

 

街角に立っていたあなたは、とても大きくて素敵だった

あなたと付き合いたいって思ったわ

そしてあなたが微笑みかけた時、私はハートを賭けたの

 

あなたは私の権利を読み上げて、「さあ行くぞ」って言ったきり

私は自分が過ごした夜について考えてた

毎夜やってたことをね

 

分かってる。あなたは誘いには応じないって

私のハートがはじけるのを見届けてから、そこに入ってくるのね

それでも訊かずにはいられなかったけど

あなたは笑うしかなかったみたいね

 

手錠をはめた私は、夜中にあなたと座って

あなたの生き方を見てた

これ以上何も望まない

 

真面目なのね。あなたは狙撃手よ

言ったわね、法は永遠だって。まるでワインのように

あなたは警察官

でも娼婦の私の愛を求めてるって事を認めるべきよ

 

見通しは暗いわ。私は独房からあなたを呼ぶの

私の裁判にあなたは出廷したわ

バッジをつけて、ラバーブーツを履いて

 

私はずっと考えてる。どうやってあなたとあやまちを犯そうかって

そして私が出所したら、きっとあなたを襲うわ

 

 

原詩

 

I saw you standing on the corner, you looked so big and fine. 

I really wanted to go out with you, so when you smiled, 

I laid my heart on the line

 

You read me my rights and then you said "Let's go" and nothing more

I thought of my nights, and how they were

They were filled with

 

I know you wouldn't go

You'd watch my heart burst then you'd step in

I had to know so I asked

You just had to laugh

 

We sat in the night with my hands cuffed at my side

I look at your life and your style

I wanted nothing more

 

Walking the line, you were a marksman

Told me that law, like wine, is ageless

Public defender

You had to admit

You wanted the love of a sex offender

 

My vision in blue, I call you from inside my cell

And in the trial, you were there

With your badge and rubber boots

 

I think all the time how I'm going to perpetrate love with you

And when I get out, there's no doubt I'll be sex offensive to you