ロバの耳
ドイツ語でEselohr(ロバの耳)とは本のページの角を折ったものを指します。栞代わりのアレです。英語だとDog Ear(犬の耳)だそうで、かたち的にはそちらの方がしっくりきます。どうしてドイツ人は細長いロバの耳に例えたのだろう?
先日『Eselohren』という本を貰いました。Eselがロバ、ohrenは耳の複数形、つまり「ロバの耳」です。
表紙をめくるとページの角を折るように書いてあり、それが最後のページまで続きます。
全ページの「ロバの耳」を折っていくと本の中にロバが現れるという仕掛け。
良く出来てる。
ところで西洋ではロバは愚鈍さの象徴ですが、黙々と荷を運ぶけなげな姿と意外に可愛いその顔つきを見ると、不当に貶められているようでちょっと可哀そうな気もします。
もっとも、そう扱われても「俺、気にしてないっすから」とひたむきに仕事をするのがロバであり、それはロバ的特質における美点の一つではないかと思います。
その愚直さ故に、ブラック企業に搾取される心配もあるのですが、気をつけなよと親身にアドバイスしても「ロバの耳に念仏」なのが歯がゆいところです。