青い西瓜の日々

軸なきブログ

みゃーくふつ

あきさん(id:sprighascome)からのリクエストにお応えして、方言の話。

 

「みゃーくふつ」とは宮古口、つまり沖縄は宮古島で話される方言の事です。

 

私は宮古島に生まれたのですが、赤ん坊の頃に沖縄本島に移ったので、宮古口をほとんど解する事ができません。父も母も宮古島の人間なのですが、私たち子供達には「うちなーやまとぐち」で喋っていました。ですから私が喋る方言というのは「うちなーやまとぐち」なのです。

 

「うちなーやまとぐち」とは沖縄大和口。沖縄本島の方言が標準語で薄まったもので、今や沖縄では年寄り以外は皆これを喋っています。おそらく日本国中、方言というのは薄まりつつあるのでしょう。テレビ、ラジオによる標準語の普及、核家族化による方言の断絶、つまり時代の流れです。

 

父と母は二人の会話の時は宮古口を使っていたし、親戚たちが集まると耳にしますので、私も宮古口が全く分からないというわけでも無いのですが、あくまでカタコトレベル。つまり私にとって宮古口というのはほぼ外国語にも等しいのです。

 

そういう距離感もあり、宮古口って変わっているなあという感じで聞いていました。例えば特殊な「ぴ」の発音があります。「冷たい」の宮古口を文字にすると「ぴぐる」となりますが、実際に聴くと全然違います。PにS音かZ音が混じるのです。ローマ字で書くと"pzigr"という感じで、私は未だに発音出来ません。

 

「ん」で始まる言葉もいくつかあります。

例:「んぎゃます」=「うるさい」

そして「っ」で始まる言葉も。

例:「っふぁ」=「子供」

「ん」や「っ」で始まるなんて、裏打ちのリズムっぽくて面白い。

 

他にもユーモラスな響きの言葉がたくさんありますが、最後に一つだけ。

 

「にゃーん」

 

無い、って意味です。まあ、これは日本語を語源としている感じはありますね。

にゃーん、という時には両の手のひらを頭にかざして猫耳を模し、首を傾げながら、可愛く言うのが本式です。もし、宮古島に行くことがあれば試してみてください。

ふふふ。