映画『トランセンデンス』を観てきた(ネタバレあり)
義母が遊びに来ているので、昨晩は子供達を預けて妻と久々の夜遊び。
と言っても、映画のレイトショーを観る程度のもんなんだけどね。はは。
最近は映画情報にも疎くて、どの映画が面白そうかなんてさっぱり分からない。
だから、ジョニー・デップが出ているという事で『トランセンデンス』に決めたのだが、我々は映画館で驚愕する事になった。
なんなんだ、
この、
びっくりするほどの、
凡作は。
ハリウッドはコンピューター・ウイルスでなんでも片が付くと思っているに違いない。風呂敷を広げた後は「とりあえずウイルスで締めとけ」みたいな。
『インディペンデンス・デイ』のラストにもずっこけたが、こうなるとコンピューター・ウイルスってのは黄門様の印籠だ。金さんの桜吹雪だ。これにて一件落着だ。
登場人物の誰にも感情移入できぬまま、スリルもサスペンスも喜びも悲しみもないままに物語は淡々と進む。いや、そこかしこでバンバン爆発はするんだが、うわすべりのさるすべり。
こいつらなら、なんとかしてくれるのではないかと一縷の望みを抱いていたモーガン・フリーマンやキリアン・マーフィーもこれといった見せ場も無く映画は終わる。
なんてこった。
人格を持った超頭脳が誕生したらどうなるか、という発想自体は面白いんだけどね。
記憶とは何か、思考とは何か、感情とは何か。
精神とは、自我とは、「私」とは何か。
電気信号と化学反応の集積なのか。それ以上のものなのか。
映画の冒頭では、そのような点にも焦点を当てたSFスリラーなのかと期待しながら観ていたので、肩すかし感も大きかったのかもしれない。
唯一 面白いなと思ったのは、映画に出てくる反テクノロジーを唱えるテロ組織RIFTで、おそらくシー・シェパードのような過激な環境保護団体にヒントを得たのだろうが、科学と倫理の問題がますます難しくなる中で、このような組織は間違いなく出てくるに違いない。私が知らないだけで、もう存在しているのかもしれないが。